一章:遭遇

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   空中で刺され、静止するスライム。    それから動くことなく、数秒経つとあっさり事切れました。地面に落ち、消えてしまいます。   「これでおしまいですわね。あっけないわ」    短剣を軽く払い、少女は目を閉じて息を吐く。安心しているような仕草です。    確かに、あっけない終わりでした。しかしそれは、少女が圧倒的に強かったからです。    スライムの耐久力が低いとはいえ、あの華麗な動き……少女が強いのは疑いようがありません。   「さて……大丈夫かしら?」    短剣をしまい、少女が私へと近づく。私は剣から手を離して頭を下げた。   「あ、はい。お陰で助かり――」   「それにしても、あなた本当に弱いですわね。あんなスライムにタコ殴りにされるなんて」   「……」    口調は丁寧なのに、ところどころに言の刃が仕込まれているとはこれ如何に。    実体なくても受けたら遺体と呼ぶが如し。    私は肩を落とし、分かりやすいくらい落ち込みます。頭がクオリティ低い無理問答をはじめるくらいショックでした。   「ご、ごめんなさい。ちょっと言い過ぎたかしら。そうね、武器が刺さらなければあなただって相手できるわよね」    そして、分かりやすいくらい慌ててくれる少女。悪い人ではなさそうです。  
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