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「あ、あはは……いやぁ、お見苦しいところを見せてすみません」
掛け布団に身体をくるませ、私は顔だけを出しました。赤くなっていたかは分かりませんが、物凄く熱いので赤面しているのは間違いないでしょう。
ああ、失態です。初日から職場の先輩に、裸を見せる奴がどこにいるというのです。
裸の付き合いは歓迎ですが、不審者染みた一方的な公開は避けたいものです。捕まりかねません。
「別に構わないけど。予想できてたことだから」
意外にも、シュネーさんは怒りませんでした。呆れたようにため息を吐いてますが、叫んだりはしません。
「予想できてた?」
「うん。フルス様が言ってたから」
フルスさんが? 私が裸で寝るかもしれないと言ったんですか。なんて的確な予想を……。
「じゃあなんで驚いたんです?」
「そ、それは……大きかったから」
頬を赤くさせ、照れながら答えます。ほほう、子供には刺激が強すぎましたか。
「セクハラですね。けしからん」
「うるさい」
ブスッとしながら答えると、シュネーさんは何かを私の前に置きました。
「はい、服と防具。ここの家なら、見た目も気をつけないと――ってフルス様が」
茶色の大きな紙袋です。紙が膨らんでおり、とても大きな物、重い物が入っていると予想できます。
「あと、ワンピースが汚れただろうから、って」
フルスさん、流石の読みです。
汗でちょっと着るのが嫌になって……で、裸になって寝ちゃったんですよね。
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