二章:新たな日常

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   女の子が好きなのもありますからね。    私はマントの首元を締め、鏡へ一笑。シュネーさんへ振り向きます。   「待たせてすみません。行きますか」   「防具もつけて。防具も」    防具もですか。サイズ関係ですかね。合わないと付けられませんし。    シュネーさんに促され、私は紙袋から防具らしき物を取り出します。    窓から差し込む光を反射する、銀で作られた胸当て。片肩に掛けるタイプの物で、固くていかにも防具らしい品です。    これだけでは防具として軽装です。しかし私は素人。動けないよりはこれくらいが妥当でしょう。   「……ちょっと胸がキツいですね」    装着にやや時間をかけ、ブラウスの上に胸当てを着けます。サイズはそれなりに合ってましたが、少し息苦しさを感じました。   「けっ、自慢? それって自慢なの?」    シュネーさんはちょっと羨ましいみたいです。露骨に嫌そうな顔をして、今にも唾とか吐き捨てそうです。荒んでますね。   「自慢ではありません。我慢できる範囲ですし、これで大丈夫だと思います」   「そ。後でフルス様にお礼を言っといて」    ぶっきらぼうに言って、行くよ、とシュネーさんは私へ背中を向けました。ドアへと歩いていきます。    私も慌てて後ろを歩きます。   「あの、防具着けたままですか?」   「うん。これから戦うし」   「はー、戦うんですか――ええっ!?」    それにリーレンさんと働くこと、何の関係が!?    働く前からこう言うのもアレですけど、昨日のフルスさんの様子を考えると……嫌な予感しかしません。    お屋敷の無駄に長い廊下を、小さな背中を追いかけながら歩く私は、遺書でも書いておこうかと思案しました。  
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