二章:新たな日常

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           シュネーさんに連れられて、庭にやって来ました。    一面芝生で、とても目に良さそうなその場所は、あちこちにいる執事やメイドさんで昨日より賑やかになっていました。    数は十五人程度。昨日見たクロイツさん、リーレンさんもいます。    最初はラジオ体操のようなものかと思いましたが、どうにも雰囲気が殺伐としています。    全員が武器を持ち、彼らは……戦っているようでした。    街の喧騒が遠く聞こえる中、武器のぶつかり合う音、悲鳴や雄叫びが響きます。    朝早くに戦闘の訓練ですか。なんですか、この商会。皆さんの動きも、素人レベルを軽く逸脱してますし。   「あの、皆さん何故こんなことを?」    玄関を出たところで、私は庭の変わり様について尋ねました。    前を行くシュネーさんは、後ろの私をチラッと見やり、答えます。   「自分の身は自分で守る。それが商会の方針だから」   「どこの戦場ですか」    アクティブなのか保守的なのか。よく分かりません。   「魔物もいるご時世だから、無駄にはならないぞ」   「それはまあ……そうですが」    正論を言われて言葉に詰まります。昨日のことを思うと、無闇に否定できません。なにしろ私はスライムにリンチされたのですから。    自分の身を守れない私には、有り難いことかもしれませんね。    ちょっとは強くならないと、生き残れそうにありませんし。   「はい、やめー!」    少し歩くと、シュネーさんは手を何度か叩きました。    小柄な彼女からは想像できないほど、よく通る大きな声。メイドさんや執事はピタッと動きを止めて、シュネーさんの前に素早く整列します。    ……軍人ですね。  
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