二章:新たな日常

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   新たなる事実です。クロイツさんはどう見ても、私と同じような平均人間なのに。    人は見かけによらないとも言いますし、あながちおかしくもないですが……。    仲間が一人減ったかのような虚無感が胸を突きます。まことに身勝手ですが……クロイツさんの裏切り者っ。   「他にいない? いないなら、あたしがやることになるけど」    シュネーさんが問いかけても、皆さん黙り。手を挙げる気配はありませんでした。    皆さんいい人そうなのに。あ、まさかクロイツさんくらいの実力は、当たり前レベルなんですかね。で、ちょっと弱い方は忙しいとか。    もしそうなら、頼もしい限りです。魔物に襲われても被害は出ないでしょう。    最悪、この異世界の全員が強者レベルという、カオスな状態に陥りますが。   「仕方ないか。よし新人、お前の力を私直々に見てあげる」    誇らしげに、そしてかなり楽しそうにシュネーさんは宣戦布告しました。    ふざけた私を叩きのめす大義名分が手に入ったのです。かなり嬉しい筈。    不敵な笑みを浮かべた彼女からは、微かに殺気の香り。手加減はしない。シュネーさんの目が私へ語りかけます。   「ふ……いいでしょう! 存分にやられてみせます!」   「何言ってんの?」    間違ったみたいです。きょとんとしたシュネーさんの反応に、私は握った拳を静かに降ろしました。    なんでしょう、この私が決めにいくと外れる流れは。主人公としてかなり致命的ですよね。  
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