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――ま、私の特性はどうでもいいとして。
私をボコボコにする以外特に思い浮かびませんし……何をするんでしょう?
意図を理解できず首を傾げるていると、シュネーさんが手を叩きました。
「おーい、リーレン。持ってきてー」
リーレンさん? 訓練をしてて、今は列の中にいましたよね。何か持ってましたっけ?
「うむ、任せたまえ」
さっきまで列に並んでいた筈のリーレンさんが、私の後ろから現れました。
大きな箱を持って颯爽と。
「あれぇ!?」
現れる場所がおかしくないですか!? 瞬間移動!?
「どうしたのかね? すっとんきょうな声を上げて」
「え、だって、さっきまであそこで並んでましたよね?」
列の中。一人分のスペースが空いた場所を指差します。
リーレンさんがあそこにいたのは間違いありません。となれば、何か信じられないようなことが起こった筈です。例えば魔法とか。
人間がたった数秒で移動するわけがありません。
「些細なことだ」
物理法則を超えることは全然些細じゃないです、リーレンさん。
彼は朗らかに笑いながら、手にした箱を地面に置きました。ガシャガシャと賑やかな音が立ちます。
「ほらロウ君、選ぶといい」
「答えてくれないんですね……」
気にしないでおきましょう。この世界なら、これくらい起きてもおかしくないですし。
自分で自分を納得させて、地面に置かれた箱へ目をやります。
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