二章:新たな日常

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  「防いだ!?」    武器と武器がぶつかり、甲高い音が鳴り響きます。動揺したシュネーさんを見て、私は笑みを浮かべました。    避けるときに槍を下げておいてよかったです。シュネーさんが強いなら、突きだけで終わる筈はありませんから。    さて、ここから私の番です。小さな女の子に攻撃を加えるのは気が引けますが……訓練なので我慢しましょう。そもそも当たるか分かりませんし。    私はレイピアと面した位置を中心に、槍を回します。柄の先をレイピアの下へ、そして一度上へ跳ね上げてから、レイピアの下を潜って槍を回しきります。    槍の切っ先が下を向き、私はシュネーのすぐ正面に入りました。手を伸ばせばすぐ届く、そんな距離です。武器で攻撃をするのは厳しいでしょう。    そして、レイピアは槍の向こう側。このままシュネーさんが剣を振っても、槍に当たるだけです。    決まり。シュネーさんが攻撃をしようと考えても、私はそれより速く勝負を決めることができます。    勝利を確信しました。槍を地面に刺し、私は思い切り――   「私の勝ちです!」    シュネーさんに抱き着きました。  
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