二章:新たな日常

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                    「シュネー君に四勝二敗……なるほど、ロウ君は中々にやるようだ」    長い戦いを終え、リーレンさんは感心した様子で言いました。    四勝二敗。私が全武器を使っての結果です。四回勝って、二回負けたのです。    確か、斧とハンマーを使ったときに負けたのですよね。    あれは重くて使い難い品でした。   「ふふ、私唯一の特技ですからね。武器の扱いは慣れたものです」    しかしそれ以外は勝利。計四回の抱擁を決めています。その度に頭を叩かれて、こぶが四つできましたが、後悔はしていません。    私は得意気になり、ガッツポーズ。地球では役に立たなかった特技も、この世界では利用できそうです。   「ふんっ。あたしは普段槍なんだから! 槍なら負けないぞ!」    上機嫌な私に対し、シュネーさんは思い切り不機嫌になっていました。    無理もありません。新入りに四回も負け、その度に抱き着かれているのです。それで機嫌がよくなるのは、私くらいでしょう。  
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