二章:新たな日常

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   付き合う、結婚とよく言っている私ですが、ただ仲良くなりたい願望も人並みにあるのです。    あからさまに拒否されるとちょっと傷つく――   「怒った顔も可愛いですよ。うふふ」    ――わけありません。むしろ快感です。照れたから拒否されたのだと、分かってますからね。   「ところで……」    そんなどこかおかしいやり取りをしていると、クロイツさんが会話に入ってきました。彼の後ろには、観戦していたメイドさんと執事達がいます。   「結局のところ、ロウ様に合っている武器は何になるんでしょう?」    クロイツさんも含めて、皆さん苦い顔をしていました。    この訓練、私の適性を調べるべく行われたらしいのですが、私は全ての武器をそれなりに使いこなしました。    敗北した斧も、ハンマーもです。    不思議な感覚でした。初めて使う武器があったにも関わらず、スイスイと使えてしまうのです。    武器の扱いには自信がありましたが、地球にいるときはここまで常人離れしていませんでした。   「うーん……どう思います?」    自分自身、何が向いているか分かりません。よって、リーレンさんとシュネーさんの二人に意見を求めます。   「君の好みで持ったらどうだろうか」   「複数持ってたら?」    まあ、そうなりますよね。好み一筋を貫くか、複数持って臨機応変にいくか、道は二つです。    結局、決めるのは自分ということですね。    臨機応変、には憧れます。しかしそれはリスクが高い。    ゲームでも装備可能武器が多いキャラは、武器倉庫になりがちです。    武器を臨機応変に使う! などと意気込んでも、結局使わないんですよね。それで文字通り動かない、戦わない、の武器倉庫になると。あるある。    万能になるか、中途半端になるか……臨機応変はリスキーな選択であると言えます。    けれども私は、敢えて臨機応変をセレクトします。    主人公らしくあるために、チェンジと合体、たまに事故くらいはしたいものです。  
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