二章:新たな日常

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  「結局、私は弱いほうなんですね」   「否定はしない。しかし、あれなら私達などすぐ超えていくだろう」    まずは凡ミス減らしからだな、とリーレンさんは笑います。    訓練中はかなりみっともないミスを連発しましたからね。何回武器が伝説になったことやら。    そんなことをやらかす内は、とてもじゃないけど勝てません。頑張らないと。   「……あれ?」    ふと、頭に疑問が浮かびます。    そんなミスをしつつもシュネーさんに勝つ私って、かなり強い……?    強くなくとも、伸び代はあると言えましょう。ミスを減らせばまともになる筈ですから。    なるほど。リーレンさんの発言にはそのような意味もあったんですね。   「――さて。では行こうか、ロウ君」   「はい?」    またまた思考の旅に出ていた私は、間抜けな返事をしながら顔を上げます。   「仕事。私と一緒に働くのだろう? ここからはメイドや執事とは別行動だ」    あ、そういうこと。    リーレンさんの仕事は雑用でしたよね。買い出しでもするんでしょうか?    歩き出す彼へ、私もついていきます。方角はお屋敷の方ではありません。出入口の門へ向かっていました。   「シュネーさん、クロイツさん。ありがとうございました」   「頑張って下さい」 「精々頑張るのね。倒れても面倒なんてみないぞ」    別れの挨拶をする私へかけられる、激励の言葉。それらは私を元気づけると共に、胸に抱いている不安を更に煽ってくれます。    『頑張る』、『倒れても』……あまり不吉なことを言わないでほしいものです。    フルスさんの態度が気にかかりますし……本格的に気をつけておくとしましょう。  
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