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見てみればそこには箱――じゃなくて、バッケさんが立ってました。
底の浅い箱をテーブルの上に置き、朝とは思えない快活な笑顔を浮かべています。
「よう、リーレン。ロウ」
「おはようございます、バッケさん」
頷いて返すリーレンさんと、にこやかに笑う私。
バッケさんはリーレンさんの隣に座り、箱をテーブルの真ん中へ持っていきました。
宝石……ですかね。キラキラ光っている石が箱に詰まっていました。
形は様々。綺麗で癒されます。何も加工する必要がないように見えますが。
何するん? 私がそういった意味の視線を向けると、バッケさんは首を傾げました。
少々の思考の後、彼はひらめいたように手を叩きます。
「ユニフォーム、似合ってるぜ」
全然期待とは違う言葉です。いい人なのには変わりありませんが、鈍感といいますか……。
まあ、似合っているというのは嬉しいです。初めてな服装で戸惑い中でしたから。
あ……リーレンさんに、武器と防具を外すよう言われてましたっけ。慌てて重たい物を外し、床に置いておく。身体がかなり楽になりました。
私はお礼も兼ねて、気になっていたことを訊くことに。
「……っと、ありがとうございます。そういえば、このユニフォームを選んだのは皆さんだと聞いたのですが」
「そうだぜ。昨日お前が寝てから、夜な夜な集まって決めたんだ」
「有り難いですけど、夜な夜な私の服をコーディネートって、結構危ない絵ですよね」
フルスさんやシュネーさんがいなかったら、完全に馬鹿な集団である。下手したら捕まりかねない。
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