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「まあ、急な話だったのでな。寝る間も惜しんだわけだ。十分程度」
リーレンさんがダンディに言います。
十分程度で決まるんですか! 主人公のユニフォームなのに!
はあ……可愛かったし、結果オーライですね。我慢しましょう。
「誰がどの部分を提案したんです?」
気を取り直し、私は質問を続けます。これにはリーレンさんが答えました。
「頭とスカートはシュネーとクロイツ。上は私。マントはフルス。ニーソックスはバッケだ」
犯人発覚! バッケという言葉を聞いた瞬間、私は彼へ勢いよく顔を向けます。
ニーソをチョイスしたのはあの方でしたか。ほうほう、見た目通りの男らしい方で……穿かせた対象が私じゃなければ、友達になれたでしょうねぇ!
「おい、ロウ。なんでそんな顔してるんだ?」
「犯人――いえ、バッケさん。何故私の服にニーソックスを?」
尋問する刑事が如く、感情を押し殺して質問します。
「ん? いや……全員の業務に合った服にしようと話をしてな。スカートが決まったから……ズボンや手袋にするわけにはいかないだろ?」
「……なるほど」
確かに、スカートの下にズボンよりはまともですね。どこの女子高生だという話になりますし。元女子高生だったんですけどね。
「それは仕方ないですね。小っ恥ずかしいですが慣れるとしましょう」
「嫌なら嫌って言っていいんだぜ?」
「いえ別に。この世界なら別に大丈夫です」
もっと個性的な服装な方も、街で見かけましたしね。ファンタジーな世界ですし、これくらいどうってことない! ……となる筈。
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