二章:新たな日常

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   盗み聞きはともかく、私とシュネーさんの関係に、何故反応するのやら。    はっ!? まさか百合好きの同士が……いや、でも男性の同士がいても。    シュネーさん、結構人気なんですかね。可愛いですし。   「あっははっ。ならシュネーを弄りがてら聞いてみるか。なあ、リーレン?」   「私に聞くな」    豪快に笑うバッケさん。リーレンさんはまたため息を吐いて、箱を指差します。   「仕事。したらどうかね?」   「お、そうだった。ロウが面白くて、つい忘れてたぜ」   「ここの責任者が何を言うか。頼りないことだ」    なんか、二人とも結構仲良さそうです。親子みたいに見えてきました。    さて、バッケさんは仕事を始めようと、箱の宝石を手に取ります。そしてさらに布を一枚空いている手に。宝石を軽く磨いてみせました。   「これをひたすら磨く仕事だ。地味だが……やらないと売り上げに関係するから、真面目にやれよ」   「これを磨くんですか? 十分なくらい綺麗ですけど」    宝石を一つ拝借。光に当てて眺めます。完璧な造型。美しい形、そして色。どう見ても完成品でした。   「ふ、そうだな。だが磨けばもっと美しくなる」   「だな。というわけで、よろしく頼むぜ、ロウ」    まあ、異存はないですけど。磨くだけならまだ楽ですしね。    バッケさんが来たときは製造の雑用ではなく、むしろ本業かと思いましたが……この程度なら内職レベルです。やらせて頂きましょう。   「さ、磨きますよー」    そんな軽い気持ちで、私は地獄を訪問したのです。  
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