二章:新たな日常

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          「よし、終わりだ」    またしばらく時間が経った――と思います。不意にリーレンさんが顔を上げ、思い出したように言いました。    やっと終わりですか。集中を終え、箱を見てみれば中身は空っぽ。別に用意された箱には、眩しいくらい輝く宝石が収まっています。    随分働きました。その成果が目に見える形で現れています。    これは数時間くらい労働したのでは? いかんせん時計がないので分かりませんが。   「一時間か。朝食にしようぜ、みんな」    一時間……!? 一時間……だと……!? バッケさんが口にした、立ち上がりながらの爽やかな台詞に、私は動揺を隠せません。    もうお昼過ぎくらいかと思ったのに。私はいつから錯覚していたのやら。   「よーし、片付け。一旦飯にしてまた仕事だ」    ご飯を食べてまたこれをやるんですか……。皆さんすごいですねぇ。    私はどこか他人事のように、ぼんやりと考えました。   「ロウ君」    うふふと笑う私の肩を、リーレンさんが叩きます。   「私達は朝食をとったら、別の場所へ移動する」    うん……なんとなく、フルスさんがあんな態度をとった理由が分かりました。    雑用といっても、楽な仕事ではないようです。    多分、私の推測が正しければ、リーレンさんはあちこちの手伝いをしているスーパーマン。超人です。    それについていくことになるのだから……それから先は言わずもがな。    私は今日を無事に生きられるかすら、危うい状態なのです。  
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