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朝食である肉を挟んだパン(大変美味しゅうございました)を食べ、次に向かったのは大通りに面した一軒のお店。
そう――フィコさんのいる商会店舗です。
狭い路地から、私はリーレンさんに続いて商会店舗に入っていきました。
美人なフルスさんのお姉さんに会える。わくわくしながらお店に入ると、昨日と同じ素敵な服装のフィコさんがいました。
「あ、リーレンさん! ロウちゃんも! よく来たねー」
目が合うなり、彼女は大歓迎。可愛らしい笑顔を浮かべてすっ飛んできます。
右に防具。左に武器。カウンター近くにアクセサリー。きっちりスペース分けされた店内の右手、武器コーナーに路地からの扉はありました。
防具コーナーの近くにいたフィコさんは、間に置かれた商品にぶつかることなく、私達の近くへ到達します。何気にすごい速さです。
「今日はそんなに忙しくないけど、来てくれて嬉しいよ」
「私もあなたに会えて嬉しいです。今日も綺麗ですね」
一歩前に出て、彼女の手を握る。私が真面目に言うと、フィコさんは苦笑しました。
「ロウちゃんもずっと可愛くなったね」
あなたには敵いません。顔を赤くして私を褒めるフィコさんは、私が遠く及ばぬほど魅力的です。
「そんなことありません。フィコさんの方が美しいですよ。好きです、抱かせ――いたいっ!?」
リーレンさんから叩かれました。いかがわしい発言が未遂に終わったので感謝したいところですが、フルスさんのツッコミよりダメージがでかいです。
「フルス君から頼まれたのでな。粛正を」
「な、なんと……。フルスさんは私の心を読む力が!?」
「当然の対策だと思うが」
ですよねー。あれだけ馬鹿したら、そうなりますよね。
仕方ありません。真面目に話しましょうか。私は顔をキリッとさせ、
「すみません。実はその素敵な胸を触らぐふっ。な、なんでもないですごめんなさい」
くそぅ! ふざける暇がないです! そして自然と謝罪が出てしまうくらいツッコミが痛い!
そんな衝撃がないのに、何故こんな響くんですかっ。
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