二章:新たな日常

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  「さて、ではロウ君にはフィコ君と呼び込みに行ってもらおう。店番は私が引き受ける」    呆れ顔で言って、リーレンさんはカウンターに向かいました。店番を一人で……できるものなんですか?    まあ、ここは彼に任せておきましょう。私達は外で働きますか。    フィコさんという美しい華は、やっぱり人目につくところにいるべきですよね。   「行きましょう、フィコさん」   「うん。ロウちゃんと一緒にお仕事できて嬉しいなぁ」    かわえぇ……。ほんわかした雰囲気を放つフィコさんは、柔らかく笑って、お店の外へ。大通り近くのドアから出ていきます。    カラン、とドアベルの心地よい音。外に出ると、何を言っているのかハッキリ分からない、ガヤガヤとした声たちが聞こえてきました。    昨日と同じく大盛況。色々な人達が、あちこちで賑やかに騒いでいます。活気の体現というべき光景です。    ……さて。何をするんでしょう? 呼び込みというのはあまりしたことがないんですが。    お店の前に立ち、私は隣の先輩を見つめます。   「呼び込みだから……えい」    すると、おもむろに私のマントを剥ぐフィコさん。な、なんです?   「フィコさん? 何してるんですか?」   「人目を引こうかな、って。あ、ロウちゃんにはちょっと露出のある衣装とか似合うかも――」   「さ早速仕事しましょうか。リーレンさん暇しちゃいますし」    フィコさんが不穏な台詞とともに笑顔を浮かべたので、慌てて仕事人へシフト。去らばふざけた私。  
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