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歩いて歩いて、やって来ました。お屋敷です。
お屋敷の玄関を抜けて、エントランス。リーレンさんとそこに到着すると、メイドさん達が集結していました。
数は二桁にいかないものの、見た目的には結構な人数がいるように見えます。工房にいたメイドさんらしき顔も、ちらほら見かけました。
「げっ、新人! リーレン、今日手伝いの予定あったの?」
勿論、その中にはシュネーさんが。並んだメイドさんの先頭に立ち、束ねる位置にいます。
私達がやってくると、シュネーさんは露骨なくらい嫌そうな顔をしました。ちょっとショック。
大理石らしき、質のいい床を歩いていきます。足を置く度よい音が響き、シュネーさんに会えた喜びも相まって、タップでもしたくなる気持ちに。
シュネーさんの近くへ行くと、リーレンさんが頷きました。
「とりあえず、全仕事を体験中だ。シュネー君も、ロウ君に仕事を教えてやってくれ」
「ええー……仕方ないなぁ。扱き使ってやる」
「それでいい」
「ちょっとちょっと。私もう体力残ってませんよ」
間に入ります。普通の掃除ならともかく、シュネーさんに扱き使われたらどうなるか……。午前中なのにへばってしまいますよ。
私が真面目に言うと、リーレンさんが耳打ちをしてきました。
「大丈夫だ。シュネー君は素直な物言いが苦手なだけで、実は優しい」
「それは分かってますが、あの方加減を知らないような……」
「本人の横で何を話してるのよ? 聞こえてるぞ」
聞こえてました。そりゃ真横で耳打ちしても、効果ないのは当たり前ですよね。
ジトッとした視線を向けられ、私は慌ててリーレンさんと離れます。
「加減はする。新人は頼りないし、あたしはなんていってもベテランだからね」
ベテラン……どう見てもシュネーさんは、年齢が十越してるか越してないか怪しいくらいなんですけど。
生前からやっていたとか、ベタなネタを言うんでしょうか。
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