二章:新たな日常

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  「ええ。異世界から来ましたよ」   「元の世界って……どんな感じだった?」    どんな感じ? 質問の意図がいまいち伝わらず、私は首を傾げます。    考える私。少しの沈黙が訪れます。けれどもシュネーさんは何も言わず、こちらを一度も見ないで掃除を続ける。    とりあえず、答えてみましょうか。   「元の世界は地球という場所で、私はその中の日本という国に住んでました」   「その国は……平和だった?」   「え? 平和でしたけど?」    他国が戦争する中、かなり暢気に平和ボケしてた国でしたね。地球の中でもかなり好きな国です。    けどなんでそんな質問を? 次々沸き上がる疑問に、私の首の角度は肩の方へ狭まります。    シュネーさんは掃除する手を止め、けれども私を見ずに一言。   「銃」    『銃』。そのワードを聞いたとき、私の脳裏にはフルスさんがフラッシュバックしました。    フルスさんが持っていた、あの武器のことでしょうか。   「銃があるのに、平和なのか? そう言いたいんですか?」   「……うん。フルス様の銃を見た? あれは異世界から落ちてきた、数少ない貴重な物で……魔法や剣より簡単に人を殺せる」    まあ、そうですね。銃を持った人と対峙したら、大抵は殺されるでしょう。あっさりと。    そんな物がありながら、何故平和のか……当然の疑問でしょう。    けど――あれ? 何か引っかかりますね。今の会話、どこか不自然だったような。  
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