三章:真夜中の来襲者

3/31
前へ
/115ページ
次へ
  「メンタル面の貧弱さが窺えますね……」    嘆息。    精神的に強くなるのは難しいことです。けれど、成長しなくては結論なんて出やしないでしょう。日々の意識を改善していかなくては。私は決意して、再び眠ろうと目を閉じます。    成長のためにも今は寝ないと。私は目を閉じて、眠りに落ちるその時を待ちます。    自分の呼吸以外聞こえない、無音の空間の中、私は少しずつ落ち着いてきました。    人間、相当なことがない限り、眠気には逆らえないものです。    ああ、これなら眠れそう。    ――そう思ったとき、外から爆発音が炸裂しました。   「えっ!? な、なに!?」    お屋敷ごと振動するかのような衝撃が襲います。揺れはすぐ収まりましたが、続いて瓦礫が崩れさるような音が。    普通は夜中に立たない派手なサウンドの数々。それらの音は下から聞こえてきました。    明らかに異常事態でした。反射的に身体を起こし、ベッドから出ます。   「夜に誰ですか、もう!」    緊張感のない呟きをしつつ、防具とマントを装着。剣とハンマーも一応付けておきます。    夜中にこんな大きな爆発を起こして――考えられるのは、何者かの襲撃か、何かしらの事故です。    どちらにせよ、このまま寝ているわけにはいきません。    寝返りのせいでところどころ跳ねた髪のまま、私は部屋を飛び出しました。  
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加