98人が本棚に入れています
本棚に追加
「メンタル面の貧弱さが窺えますね……」
嘆息。
精神的に強くなるのは難しいことです。けれど、成長しなくては結論なんて出やしないでしょう。日々の意識を改善していかなくては。私は決意して、再び眠ろうと目を閉じます。
成長のためにも今は寝ないと。私は目を閉じて、眠りに落ちるその時を待ちます。
自分の呼吸以外聞こえない、無音の空間の中、私は少しずつ落ち着いてきました。
人間、相当なことがない限り、眠気には逆らえないものです。
ああ、これなら眠れそう。
――そう思ったとき、外から爆発音が炸裂しました。
「えっ!? な、なに!?」
お屋敷ごと振動するかのような衝撃が襲います。揺れはすぐ収まりましたが、続いて瓦礫が崩れさるような音が。
普通は夜中に立たない派手なサウンドの数々。それらの音は下から聞こえてきました。
明らかに異常事態でした。反射的に身体を起こし、ベッドから出ます。
「夜に誰ですか、もう!」
緊張感のない呟きをしつつ、防具とマントを装着。剣とハンマーも一応付けておきます。
夜中にこんな大きな爆発を起こして――考えられるのは、何者かの襲撃か、何かしらの事故です。
どちらにせよ、このまま寝ているわけにはいきません。
寝返りのせいでところどころ跳ねた髪のまま、私は部屋を飛び出しました。
最初のコメントを投稿しよう!