少女と狐

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「どこから回ろうかな~?」 「…まともな所にしてね」 「分かってるよ。紅葉(くれは)」 名前を聞いたら、少女の名前は紅葉というらしい。 …なんか、久しぶりだ。 女の子と歩くのもそうだし、人に関わった事自体が。 まぁ、普通は狐のお面を付けてる人変な人になんか誰も相手にしたくないだろうし。 「まずは…商店街に行こうか」 「…商店街…?」 「知らないの?」 「初めて聞いた」 都会育ちの子かな? 「行けば分かるよ」 「わぁ…」 「どこのお店から回ろうかな~」 今日は混んでいる。 休日だし、子供も遊びにきているし、何より今は彼岸の時期だ。 お墓参りにくる人も多いと思う。 「あ、あれ見たい」 「ん?なになに?…和菓子屋?」 和菓子かぁ… 「あれは知ってるし、昔食べた事があるからまた食べてみたい」 「ふーん…じゃあ行こうか」
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