14人が本棚に入れています
本棚に追加
2人は真っ先にヒーロー協会を出て見慣れた道を歩いて行った。
方向からすると泣泣の方に向かってるみたいや。
「お、あいつら泣泣行くんか。
よーし、わしも久々に飲むとするか」
「え?薫、禁酒中とちゃうん?」
「泣泣以外で飲まんようにしてるだけや。いくら金入るようになって持っててもそこでしか消えてかんかったら何も成長せんやろ?
ちょっとずつやけど、貯金して貯めてるんや」
「薫…」
まさか薫がここまで考えてるとは思わんかった…
丸之内は別として、皆自分の欠点を治そうと各自で努力してる…。
あ、村岡も別か…笑
俺は精神的に強くなったと思てるだけでほんまは何も成長できてないんちゃうか?
何がヒーローや、
何がリーダーや。
そんなん名前だけで何も変わってへん…。
「あ、誠くんこっち!」
薫に引っ張られて傍の花壇の陰に隠れた
「良介どうしたん…?」
「…何でんあいません、‥・・俊」
「!!」
大川がこっちを見てた。
俺らに気づいたか気づいてへんかはわからんけど、
安原の名前を呼ぶといきなり安原の唇にキ…、
キ…、
「キスしてもーた…」
薫が俺の心の内を言葉にしてくれた。
「早く飲みに行きもそや、おい、お腹が空いてもす。」
大川はそう言うと安原の左手をとって指を絡めた繋ぎ方
…まあ、所謂恋人繋ぎってやつ
そうして立ち去ろうとした
「あ、追いかけな‥」
「待って!!」
薫が走り出そうとしたところを俺が止めた
今下手に走ったりして追いつこうとしたら待ち伏せされてばれてまう…。
「誠くん…?」
「近道して先回りしましょ。飲みに行く言うてたから行き先は泣泣で間違ってへんみたいやから…」
「せ…せやね」
別の道を通って泣泣へ向かったらちょうど2人が店内に入った直後やった
俺らも店内に入り2人が見えて尚且つ話の内容が聞き取れそうで2人にばれない位置に席をとった
ちょうど混む時間より少し早いくらいやから人は少なく席は取りやすかった
最初のコメントを投稿しよう!