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「「せんせい、さようならー」」
「さようなら。みんな気をつけてね」
子供たちが一斉に帰って行くのを俺は見送っていた。
俺は南西の国の一番下の村で剣術を子供達に教えている。
「お疲れ様」
後ろから声が聞こえたので振り返った。もちろんその声の持ち主は顔を見なくても分かっていた。
「ありがとう。姉ちゃん」
カエデ姉ちゃんだ。
姉ちゃんは俺の唯一の家族である。両親の記憶はないので小さい時からいないのだが、行方はなんとなく姉さんにも聞いていない。
「さ~、今日はアツキの18歳の誕生日だからさっさと片付けしてお祝いしましょう」
そう言うと姉さんは道場に向かい足を進めた。
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