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美羽さんはついさっき知り合ったばっかりだし、千恵に危ない事をさせるわけにもいかない。
でもだからって俺が行くとも言えない。
いや、だって怖いじゃん……
「じゃっ、じゃあじゃんけんは無しで……
みんなで行こっか……」
「てめぇ……最初から俺を人柱にするつもりだったのかよ……」
智治から恨みの籠った言葉を掛けられたけど、もうそんなことは気にしない。
特に反対意見も出なかったし、俺達はぞろぞろとそのヤンキー風な彼との距離を詰める。
「ああ゛ん?
なんだてめぇら」
俺達が目の前に立った瞬間、挨拶よりも早くドスの効いた言葉が放たれた。
うん、予想と違わぬ反応。
怖い……
「あのぉ……つかぬことを御伺いしますがぁ……
もしかして貴方、まだグループ組んでなかったりしますかね……?」
「組んでねぇけど?
それがどうしたんだ」
これ以上ないってほど腰を低くして聞いてみると、それが効をそうしたのか、結構すんなりと答えてくれた。
案外話の分かる奴なのかもしれない。
「よかったら俺達と組んでくれないかな?
あと一人足りないんだ」
「はぁ?
なんで俺がお前らの仲間にならなきゃいけねぇんだよ」
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