event03 開幕戦

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ごめん、なんでちょっと恥ずかしがってんの? ちょっと気色悪い。 ってか全然聞こえねぇ。 「え?」 当然聞き返す。 「だから、な――ってんだよ」 いや、マジで全然聞こえねぇ。 なんなの? 喉弱いの? さっき啖呵きったせいで喉つぶれたの? 「すいません、もう一回……」 「だから仲間になってやるっつってんだよごるぁ!! てめなめてんのか!?」 「えっ!? ごっ、ごごごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!」 なんか急に胸ぐら掴まれてキレられた。 怖い、マジで怖い。 「ちょっ、ちょっと止めてください! 大地君はなにも悪くないじゃないですか! わっ、私もその……よく聞こえませんでしたし……」 千恵がおろおろしながらも必死で彼を止めようとしてくれた。 ほんまええこや…… すると、千恵の必死さが伝わったのか割りとあっさりと手を放してくれた。 やっぱり話せば分かる奴なのかもしれない。 と、思ったけど彼の顔を見るとなんか頬が赤くなってた。 ……なんで? 「で、理由を聞こうか」 「はぁ?」 智治の言葉に彼が威圧的に応える。 「いや、はぁ?って言いたいのはこっちなんだが。
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