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さっきおもいっきりそいつの申し出断ってくれたよな?
急に掌返しやがって……なに考えてやがる」
が、智治は一切物怖じすることなく淡々と彼を問い詰める。
もう最初から智治が勧誘すればよかったんじゃないかな……?
「別に、気が変わっただけだ」
しかし、彼も負けじと不機嫌そうに応える。
「生憎俺は疑り深い性格でな、そうゆうの信用出来ねぇんだ。
ちゃんと理由を説明しろ。
気が変わったなんて嘘だろ」
「ああ゛ん!?
てめぇ嘗めてんのかごるぁ!!」
彼は頭にきた様子で俺の時みたいに智治の胸ぐらを掴む。
「大地、やっぱこいつは駄目だ。
協調性がまるでねぇ。
絶対脚を引っ張る」
今にも殴られそうな雰囲気にも関わらず智治は顔をこっちに向ける。
おお、こいつ肝が連コインしてらっしゃる……
そんな智治本人とは対照的に千恵も美羽さんもこの先の展開が読めず脅えた様子でおろおろとしていた。
かくいう俺もこいつ今にもぼこぼこにされるんじゃないかと気が気でなかった。
「誰が脚を引っ張るてぇ……?」
彼の眉の皺がだんだん深くなって声に怒気が増す。
「俺が本気でやり合ったらお前……瞬殺だぞ……」
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