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普段だったら思わず笑っちゃうような寒くて小物臭ぷんぷんの台詞。
でも、今は違う。
神と契約した俺達はそんな笑っちゃうような言葉をいとも容易く実現してしまうような力を持ってる。
これ以上彼を煽ると本気で智治死ぬぞ……!?
「おっ、おいもうその辺で……」
「別に強い弱いの話じやない。
いくらお前が強くても、勝手な行動されると他がフォローせざるを得なくなる。
それはそいつらの選択肢を狭める行為だ、取れる行動が少なくさせる行為だ。
そして、死ぬ確率を上げる行為だ」
俺の言葉は間に合わず、言い終わる前に智治の口は動いていた。
智治は顔を彼に戻していてこっちからは表情が見えない。
でも、きっと物凄い眼力で相手を睨み付けてるに違いない。
胸ぐらを掴んでいた彼の表情が少しだけ引き攣っていた。
「けっ、これだから集団行動は嫌なんだ」
彼は突き飛ばすように智治から手を離すと、やれやれと言わんばかりに手で空を払う。
「そうか……じゃ、もういいな」
智治がふぅっとくたびれた息を吐きながら乱れた制服を正す。
「ああ、だが、その子は置いてってもらうぜ」
「わっ、私!?」
彼にすびしっと指を差され戸惑う千恵。
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