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「いや、あんたは山賊か……?」
思わずそんな言葉が飛び出てしまった。
そしたら睨まれた。
しかし、流石にここで怯んだら男が廃る。
「それは困る。
千恵は俺達の大切な仲間だ。
渡すわけにはいかない」
「大地君……」
勇んで言い返しながら隣に立つと、千恵が安心したような表情になる。
ちょっとはかっこついたかな……
そんなこと思ってると後ろから溜め息が聞こえた。
「大地、どうやらやらかしたみたいだ」
どうゆう事だと首を捻ると智治はもう俺の隣にいた。
「お前、見てたのか?」
だからか、俺の視線には気づかずに智治は質問を始めた。
「べっ、べつに見てねぇよ!!」
彼はなぜか顔を赤らめて答える。
「嘘だな、お前は山本の能力を何処かで見てたんだ。
だから山本を欲しがってるんだろ?」
智治がそこまで言って漸く納得した。
そうか、こいつは千恵の持ってる八咫鏡の力を利用しようとしてたのか……
こやつめ、許せん。的な視線を送っていると、彼はポカンと間抜けた顔をして見せた。
「は?
その子の能力?
なんの話をしてんだ?」
「へ……?
じゃあお前……なんで……?」
予測が外れ、ポカンとした表情になる智治。
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