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拡声器男がそういうとみんな放牧されてる羊みたいに校門を出ていく。
「みんな、ちょっと待っててもらえる?」
「どうしたの?」
千恵が首を傾げる。
「やっぱ上履きのまんまだと落ち着かなくて……」
脚をあげて土と血で汚れた上履きを見せる。
習慣もせいもあってか外で上履きを履いているのはどうも落ち着かない。
それに底が薄いせいか小石とかを踏んだときの足の裏に感じる違和感が何だか気持ち悪い。
身体強化がなかったら多分地味に痛いんだろうな、これ。
「そうだね、すっかり忘れてたよ」
千恵が自分の足に視線を落とす。
「確かにちゃんとした靴の方がいいかもな」
「そうですか?
私は結構この素足で歩いてる感じ好きですよ?」
千恵に続いて智治と美羽さんが意見を言う。
「べつにこのままでもいいじゃねぇかめんどくせぇ」
そして城島も……ってえ……?
俺含む四人の視線が城島に向く。
「なっ、なんだよ!?」
「いや、なんでお前ここにいんの?」
俺達の視線に逆に驚いた様子の城島に智治が冷めきった声で尋ねる。
「べっ、べつに俺がどこにいようと俺の勝手だろ!」
「集団行動は嫌いじゃなかったのか?」
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