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「集団行動じゃねぇ、俺がここにいたいからここにいるだけだ。
俺は俺自身の選択でここにいる」
「あっそ、じゃあ俺達の意見に口出しすんな。
行くぞ」
智治に促されて俺達は昇降口へと向かった。
で、なんでついてくんだよ……
案の定城島が付いてきた。
しかも両手をポケットに突っ込んでかなり不機嫌そうだ。
こいつ、まじめんどくせぇ……
取り敢えず城島の事は極力無視するとして、靴を履き替える。
とんとんと爪先で地面を叩いてタイルを踏み締める。
うん、やっぱりこっちの方がしっくり来るな。
「美羽さん、終わった?」
智治と千恵が靴を履き替えたのを確認してから下駄箱に阻まれて姿の見えない美羽さんに確認をとる。
「おう、終わったぜ」
いや、お前じゃない。
「たっ、大変です皆さん!」
美羽さんの慌てた声が響く。
慌ててその方に顔を向けると外へと繋がるドアのところに美羽さんはいた。
あ、そっちにいたんですか。
と、そんなことを悠長に考えてる場合じゃなさそうだ。
「こっ、こっちです!」
美羽さんに連れられて俺達は外に出る。
外は相変わらず暗かった。
と言うかさっきよりも暗くなっていた。
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