event03 開幕戦

26/64
前へ
/725ページ
次へ
もしやと思って空を見上げると、昨日と同じく天使がうじゃうじゃと空を覆っていた。 「はっ、早くみんなの後を追いましょう!」 美羽さんにそう言われて初めて気づいた。 グランドにはもう誰もいない。 各グループを三重の円形に配置し、一番外側が戦闘。 そして真ん中が援護、一番内側が休憩と役割を与える。 そして一定時間毎にそれをローテーションさせるというのが拡声器男の立てた作戦だ。 一グループ欠けてもなんとかなりそうだが、俺達の身の安全の為にも早く合流した方がいいだろう。 「うん、そうだね。 急ごう!」 俺の言葉を皮切りに俺達は走り出した。 彼等の行き先をある程度見ていたらしく、美羽さんが先頭に立ってみんなを引っ張る。 「皆さん、見えました!」 美羽さんが嬉しそうに前の方を指差す。 確かに前の方に沢山の人達の背中が見える。 でも、どこか様子がおかしい…… が、そんな疑問を解決する間も無く、天使は降ってきた。 まるで夕立みたいに降り注ぐ天使に、俺達は完全に進路を、ついでに退路も塞がれてしまった。 「しょうがない、俺達だけで戦うしかないか…… スサノオ!!」 「御意」
/725ページ

最初のコメントを投稿しよう!

308人が本棚に入れています
本棚に追加