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もしやと思って空を見上げると、昨日と同じく天使がうじゃうじゃと空を覆っていた。
「はっ、早くみんなの後を追いましょう!」
美羽さんにそう言われて初めて気づいた。
グランドにはもう誰もいない。
各グループを三重の円形に配置し、一番外側が戦闘。
そして真ん中が援護、一番内側が休憩と役割を与える。
そして一定時間毎にそれをローテーションさせるというのが拡声器男の立てた作戦だ。
一グループ欠けてもなんとかなりそうだが、俺達の身の安全の為にも早く合流した方がいいだろう。
「うん、そうだね。
急ごう!」
俺の言葉を皮切りに俺達は走り出した。
彼等の行き先をある程度見ていたらしく、美羽さんが先頭に立ってみんなを引っ張る。
「皆さん、見えました!」
美羽さんが嬉しそうに前の方を指差す。
確かに前の方に沢山の人達の背中が見える。
でも、どこか様子がおかしい……
が、そんな疑問を解決する間も無く、天使は降ってきた。
まるで夕立みたいに降り注ぐ天使に、俺達は完全に進路を、ついでに退路も塞がれてしまった。
「しょうがない、俺達だけで戦うしかないか……
スサノオ!!」
「御意」
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