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小さな男は一頻り笑うと、はぁはぁと息を整えながら目尻に貯まった涙を指で拭った。
「で、結局なんなんだ?」
「ん~ああ、三種の神器神器っていうのは日本の神話に出てくる鏡、玉、剣のことだよ。
結構有名だと思うんだけど……
まぁいいや、取り敢えず強いって事が分かれば君達には十分だろ?」
まぁ、確かにそれはそうだ。
俺は納得してそれ以上は質問しなかった。
「やったよ大地君!
これ強いんだって!」
千恵が嬉しそうに跳び跳ねる。
もう、可愛いから止めなさいそれ。
「そんじゃぁ契約も終わったし、僕は消えるね♪
今日含めて六日後、契約期間最後の日に予行演習があるから、それまでに神器や化身(トーテム)使いこなせるようにしといてね~♪
でないとみんな死んじゃうよ♪」
え……?
俺は緩んでいた顔を引き締め、慌てて小さな男の方へ顔を向ける。
そこに、もう小さな男の姿はなかった。
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