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まぁ、全体の数から見たら半分もないんだろうけど……
どれくらいの人が集まるかは分からないけど放送を流したやつがなにか話を始めるにはまだ時間が掛かりそうだ。
その間にどうにか千恵を起こさないとな……
多分起きるのを待ってたら話がややこしくなってそうだし、そもそも俺が千恵が分かるように説明できる自信がない。
智治に頼めばいいんだろうけどやっぱり自分の耳で聞くのが一番の筈だ。
俺は人気の少ない所へ移動して、おぶっていた千恵を優しく床に寝かせて頬を軽く叩く。
「おーい、千恵ー」
声を掛けてみても千恵のマシュマロほっぺがぺちぺちと音をたてるだけだった。
「智治……どうしよう……」
困ったときの佐々木智治さんである。
俺は困り顔で後ろにいる智治に視線を向ける。
「起こしたいなら水でもぶっかけてみれば?」
「えっ!?
なにそれ、いじめ!?」
酷い!
智治さん超酷い!!
「いや、俺は真面目に――」
「おーい千恵ー!
大丈夫かー?」
智治の言葉を無視して千恵の意識確認を続ける。
後ろで盛大な溜め息が聞こえた気がするけど多分気のせい。
徐々に声を大きくして軽く体も揺すってみる。
「――っ……ん……?」
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