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午後一時。
学校の体育館にて会議が始まった。
会議って銘打ってはいるものの、中身はただの意見出しみたいなもんだ。
体育館に集まってる人は解散する前と比べると減ったように見える。
俺も、もし親の様子を見に行っていたらその中の一人になっていたかもしれないな……
まぁ減ったって言っても余裕で百人は越えてそうだけど。
でも、それだけの人数がいても会議は停滞を続けていた。
「弱ったな……」
ステージの上でペンを弄りながら男がぼやくのが聞こえた。
後ろに引っ張り出されたホワイトボードは文字通り真っ白だ。
空き時間で移動をしていなかった俺達はステージ前最前列に陣取っている。
「なにか、いい案はないか?」
男が拡声器を使って意見を仰ぐ。
でも、その場が少しざわつくだけで声を上げる人もいなければ手を上げる人もいない。
まぁ、当然と言えば当然だろう。
みんな実際に戦法なんか考えた事なんてないだろうし、あったとしてもそれはあくまでもバーチャルの世界での事だ。
現状を見れば内容はそれに近いかもしれないけどこれは現実だ。
死んでも拠点から復活なんて出来ないし、ドロップで人員補充なんて事も出来ない。
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