event03 開幕戦

4/64
308人が本棚に入れています
本棚に追加
/725ページ
酷い言い方だとは思ったけどこいつの言い分も正しい気がして黙っておく。 「逆に言えばどいつもこいつも自分が生き残る事しか考えてねえ。 そんな中に山本みたいな強力な神器持ってるやつが出てきたらどうよ」 「へ? 私?」 突然名前を呼ばれた千恵は驚いた様子で自分を指差す。 「そうだ。 八咫鏡は超防御重視の神器だと俺は思ってる。 生き残るには正にうってつけの神器って訳だ。 それに、この中には俺みたいに一人だと圧倒的に不利な能力の奴、ぶっちゃけ戦闘向きじゃない奴もいるはずだ。 そんな奴等がほぼ無敵の防御力をもつ神器があると知ったらどうなると思う?」 「千恵に……助けてもらおうとする……かな?」 答えると千恵もコクりと頷いた。 きっと、誰だってそうする筈だ。 「そうだ。 でも、お前も知ってると思うが山本の防御力は無限じゃない。 きっと無理矢理矢面に立たされて潰される」 そんな事をするなんて許せないし、絶対にさせない。 千恵は俺が守る。 智治の言葉を聞いてそう思った。 でも、ふと俺の中の何かが問い掛ける。 もしもおれ自身がそういった立場だったらどうだろうか、と。
/725ページ

最初のコメントを投稿しよう!