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きっと自分の命可愛さに平気で人を消耗品みたいに使うようになっていたんじゃないだろうか。
そう考えると、どうにも微妙な心境になってしまう。
まぁ、どうなるにしろ一応は協力し合う形になるだろうから、そうゆう思考の人は一人でも少なくあってほしいな。
智治達から視線を外してぐるりと回りの人達を見る。
そんな事をしている間にも会議は一向に進む気配を見せない。
本当に大丈夫なのかな……
改めて不安になる。
ステージ上の男もこの一歩も前進しない停滞した会議に徐々に苛立ってきてるみたいだ。
「ちょっとみんな頼むよ!
このままだとみんな死んじまうんだたぜ?
嫌じゃないのかよ、怖くないのかよ!?」
彼の目は大きく見開かれ、血走っていていた。
「大地君……
あの人、怖い……」
千恵の声が背中から聞こえたかと思うと、服が少しだけ引っ張られるような感覚がした。
ごめん、俺もちょっと怖いな……
「じゃっ、じゃあ、そんなこと言うならお前が案出してみろよ!
そもそもお前が俺達集めたんだしよ!」
集まった人達の中から上がったこえに男の目がぎょろりと動く。
でも、それだけでそいつはなにもしないし言わなかった。
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