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考えているのか、目も落ち着いたようなものに戻る。
「そっ、そうだ!
班行動だよ班行動!
それで隊列を作るんだ!」
男はハッとした様子でそう言うと、急いで拡声器を口元に持ち上げる。
「みんな、近くにいる人達とグループを組んでくれ。
そうだな……あんまり人数が多すぎると意味ないから五人……?
うん、一グループ五人ぐらいで頼む」
「おい、大地、山本、俺の傍を離れるなよ」
「うん、わかった」
「おう」
智治はやれやれといった様子で溜め息をつくと、きりりと眼光を鋭くさせて俺達を自分の近くに集める。
なにこのイケメン……超かっこいいんだけど……
集まった人達はざわつきながらも頭があちこっちに動いていた。
各々グループを組始めているんだろう。
「智治、残りの二人はどうすんだ?」
「適当に余ったやつでいいんじゃないか?」
「うん、まあそうなるよな」
智治に向けていた視線をもう一回体育館の中央付近に戻す。
暫くすると徐々にグループが纏まってきたのか、人の動きが鈍くなってきた。
それでも相変わらず俺達は三人のままステージの手前で小さく纏まっていた。
さて、そろそろ余った人達が出てきたかなぁって体育館の中を見回すと、一人の女の子と目が合った。
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