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女の子は少し怯えたような、驚いたような反応をしてから恐る恐るこっちに近づいてきた。
「あっ……あのぅ……もしかして、まだ五人集まってませんか……?」
そして、凄く申し訳なさそうな感じでそう尋ねた。
茶色がかったショートカットに、おっとりした感じの目が特徴的だ。
中々の美少女ではあるけれど、それ以上に俺は彼女の声のことが気になった。
どこかで聞いたことがあるような……
記憶を探ってみると結構最近にそれはあった。
「もしかして、一番最初に親に会いたいって言った人?」
「えっ!?
あっ……はい……そうです。
ごめんなさい……」
彼女は驚いた様子でうつ向き気味だった顔をあげるとやっぱり申し訳なさそうな感じの口調で応える。
っていうかなんか謝られた。
「いやいや、別に怒ってる訳じゃないよ。
君、名前は?」
「美羽(みわ)……知代(ともよ)って言います……」
名前を訊いたはいいけど、すっごく小さな声で答えられて危うく聞き逃すところだった。
どんだけ自分に自信ないんだこの子……
まぁ取り敢えずこれで四人目は決まったな。
そんな感じのアイコンタクトを送ると、智治は黙って頷いてくれた。
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