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「ところで、腰につけてるその刀は何……?
化身かなにか?」
そう、俺が気になっていたのは美羽さんが腰にベルトで括り付けてる日本刀だ。
態々ベルトで括り付けてるくらいだからどっちでもないんだろうけど……
「ああ、これ……ですか?」
美羽さんは刀を鞘ごとベルトから引き抜いて俺に見せる。
コクりと頷くと美羽さんは更に話を続けた。
「これは、家に代々伝わってるらしい所謂家宝みたいな……そんな感じのものなんです」
「なんでそんなものを?」
「家に戻ったとき持ってきたんですよ。
私の化身は武器になれないので……」
まぁ確かにこんな如何にもか弱そうな女の子が肉弾戦出来るとも思えないしな……
化身が武器になれない以上、武器を持つのは普通か。
「刀が家宝って……お前んちは武士の末裔かなんかなのか?」
智治が尋ねる。
「さあ……それは分かりませんけど……
お父さんの話だとお父さんのお爺ちゃんの代から剣術は教えていたそうです」
「ってことはお前んちは道場なのか?
剣道の?」
「はい。
私も父に剣術を指導してもらっています」
「へぇ、じゃあ知代ちゃん強いんだ」
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