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「え?」
「お前…まさか……」
司は頭に巻いていたバンダナを、巻き直しながら男に向かって話し出した。
「鬼龍団、現総長を勤める小学生……
鬼塚司だ!!!!」
「何!!!!」
「え!!!!」
「驚いた?」
「ま…まさか……
俺も総長も、とんでもねぇガキを連れて来ちまったのか?」
「大当たり!!!!」
顔をニヤ付けさせながら、昇を抱えている男の股間に前蹴りを交わした。
男は股間から激しい痛みにより、手からナイフが落ち昇の首を掴んでいた腕が、力無く下がった。腕が下がったと同時に昇は、苦しさの余り咳き込んだが、咳に構わずその場を離れた。
「ゲホッゲホッ……
ハァ……ハァ……
つ……司……
おま………!!」
「説明は後!!こっから逃げるよ!!!!」
そう言いながら司は、昇の手を握り駆け出した。
しばらくして鬼龍団は闘いが終わったのか風霧団の奴らを、縛り上げ倉庫から出て来た。
すると、鬼龍団の女の一人が司目掛けて抱きついてきた。
「総長~!!心配しましたよ~!!」
「優華姉(ユウカネエ)、苦しい……」
「総長に何かあったら、私生きていけませんから!」
「オーバーだな~、優華は」
「それはそうですけど~……」
「しっかし、あの風霧団の野郎共の顔………」
「笑いが止まらなかったぜ!!」
「言えてる!!」
その光景を、遠くから眺めていた昇は鬼龍団の、バイク見張りをしている男と一緒にいた。
「あの~……」
「?」
「一つ聞いて、いいですか?」
「…………
手短に話せ」
「じゃあ聞きますけど………
司って…………」
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