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司の右隣にひょっこりと現れたのは、鬼と龍のイラストが描かれた特攻服を羽織った亮だった。
その姿を見た昇は、亮を指しながら驚いた表情をしていた。それに気付いた長い髪を下ろした優華という女性が、昇と亮の顔を見ながら、話し出した。
「あれ?
何か、驚いてるみたいだけど?
お二人さん、ひょっとしてどっかで会ったことある?」
「あぁ、昨日の夕方に」
「な…何で、亮さんが……ここに?
しかも、どうして鬼龍団なんかと……一緒に?
あぁもう!!!!何がなんだか分からねぇ!!!!
司、説明しろ!!いったい、何がどうなってんだ!!」
頭をかきむしりながら、昇は司の肩を激しく揺らした。
司は汗をかき、困った顔を浮かべながら困ったような声で、笑った。
「なぁ、司!!」
「そ…それは……
率直に言うと、うちはこの『鬼龍団』の総長………
それで、亮兄と優華姉が『鬼龍団』の副総長……
かな?」
「“かな?”じゃねぇだろ!!
何でお前が、あの『鬼龍団』の総長なんか勤めてんだ?!!
仮にも小学生だぞ!!」
「う~ん………
そんなこと、言われても………」
「司!!!!昇君!!!!」
車の急ブレーキと共に、車内から司と昇の名を叫びながら駆けつけてきた、司の母である茜の姿が見えた。
茜は司と昇の姿を見つけるなり、飛びつきそして強く抱いた。
「よかったぁ!無事で……本当に」
「母さん、苦しい……」
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