50人が本棚に入れています
本棚に追加
夕飯を終え、司と昇、優太が寝静まった後、茜と美沙は椅子に腰掛けビールを飲みながら昔話をしていた。
「にしても、司ちゃん……
結構見ない内に、すっかりたくましくなったね!」
「言われてみると……
そうね……」
「さすが、『鬼龍団』の前総長と前副総長の子供だわ!」
「あのね………
ま、いっか………
司の事を一番、可愛がってたのはあの人だからね~」
そう呟きながら、茜は缶ビールを飲み干し、リビングの隅に置いている小さなテーブルを眺めた。
テーブルの上には、少し大きめの特攻服を着、満面な笑顔を浮かべながらピースをしたまだ幼い司と司の頭に手を乗せた前総長らしき姿が写った写真が立っていた。側には桜の花が咲いた小さい枝が水の入ったコップに添えていた。
「あの日から、随分経つわね………」
「あの日以降、色々な団に世話になったし、もちろん美沙にも。」
酔ったのか美沙に深々と、頭を下げながら礼を言った。
美沙は照れ臭そうに、頭を掻きながら顔を赤くした。
ーーーー翌朝
「ふぁ~………
眠い………」
通学路を歩きながら、司は大きなアクビを一つした。
「おいおい、シャキッとしろよ。シャキッと。」
「だって、眠いんだもん………
それに昨日の疲れが、まだ残ってるし……」
「それで昨日、早く寝たじゃねぇか……」
「ああいう闘いした翌日は、学校休むって決めてんだよ………」
「その休み癖、いい加減直せ!!
お前小1の時から、ずっとだよな~」
そんな他愛のない話をしながら、学校に着き下駄箱で上履きに履き替え、教室に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!