総長の正体

10/26
前へ
/79ページ
次へ
仲居の呼び掛けにより、昇の周りにいたクラスメートは皆、自分の席へ着いた。 香織も、昇の顔をチラッと見てから自分の席へ着いた。 皆が席に着いたと同時に、仲居は朝の会をやりそのまま授業へと入った。 ーーーー放課後 クラスメートは皆、親が迎えに来たため親と共に帰って行った。教室に残っているのは、昇と司、香織そして4月の始業式と同時に転入して来た谷本翼(タニモトツバサ)の4人だけだった。 昇は、朝の事を司に話した。良いタイミングにより、香織の質問に答えなくて済んだ。 「鋭く突いたね…… その夏川」 「あいつ、昔からカンだけはいいから……」 「とにかく、昨日話した事は絶対に誰にも話さないで。 昇はまだ良いとして、他の皆は面白がって、戦いを見にくる奴がいるかもしれない……… そんなのがいたんじゃ、戦いにならないから。」 「分かった」 「何が、戦いにならないって?」 後ろから、朝に聞いた声が聞こえ昇はその声に反応し後ろを振り返った。 そこには、腕を組んだ香織が立っていた。 香織は昇に顔を近付きさせ、そして同じ質問をした。 「何が、戦いにならないって?」 「いや……そ、それは………」
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加