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「いちいち、人の話に突っ込むな!」
「鬼塚さん、あなたには関係のない事よ。
私は金田君に質問してるんだから」
「うちと昇はただ、昨日やったゲームについて、話してただけだ!」
「…………
じゃあ、聞くけど………
あの時、何で鬼龍団の総長が現れたって聞いた時、金田君も鬼塚さんも驚かなかったの?」
「え?」
「鬼塚さんはともかく、金田君は一昨日あれだけ、鬼龍団の総長に会ってみたいって言ってたじゃない。」
「そ、それは……」
「それがなぜ、今日は鬼龍団の総長の名前が出ても、驚かなかったの?」
鋭く突いてくる香織の質問に、昇は動揺の顔を隠せないでいた。司は何とかその場を逃れようと思い、口を開こうとした時だった。
「司!昇!いるか?」
「!?亮兄?!」
「!?亮さん?!」
教室のドアが勢いよく開き、司と昇の名を呼びながら、廊下から顔を覗かせた亮の姿が現れた。
その後ろから、亮を追っ掛けていたのか息を切らしながら歩いてきた仲居の姿が目に見えた。
「ハァ……ハァ……
勝手な行動は止めて下さい!」
「だから、何回も言ってるだろ?
俺は司の母親の知り合いだって!」
「では、身分証明書を見せて下さい!」
「持ってねぇよ、今日は……」
「それでは、司さんを渡すことは……」
「亮兄が、言ってることは本当です!」
我慢出来なくなり、司は亮の側へ駆け寄りながら仲居に亮の事を話し出した。
仲居は司から亮の事を聞いて、ようやく理解し司を渡すことにした。また、司の願により昇も司と共に学校を後にした。
司と昇がいなくなり、今教室に残っているのは香織と翼の2人だけだった。
(あの2人…………
何か、隠してるわね……)
「…………
他人の事に、首を突っ込まない方がいいぜ………」
今まで黙っていた翼が、本を読みながら香織にまるで忠告のように言い放った。
「何が言いたいのよ、あんた」
香織は翼の方をチラ見しながら、怒った口調で問い掛けた。
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