総長の正体

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「あ~もう!!むしゃくしゃする!!」 「本当!!」 頭を掻き毟りながら昇はベンチに座った。ベンチの隣に立っていた司は昇に同感しながら地面を踏み蹴った。 「あいつらが皆、悪くないのに……… うちらで、どうにかしようとしてるけど中々………」 「せめて、司が入ってる“鬼龍団”みてぇのが、もっとあればいいのに………」 「あぁ、あるよ」 「早々あるわけ………… ? えぇ!?あんの?!」 「あぁ。 東西南北、各一対にあるんだ。 まず……… 北に玄武団………黒い特攻服を羽織った族。特攻服の背中に、猪のデザインがされてる。ちなみに、この団は男だけ。 次に……… 東に青龍団………青い特攻服を羽織った族。特攻服の背中に、龍のデザインがされてる。この団も、男だけ。 こないだ昇をさらったあいつら、『風霧団』が羽織ってた特攻服は、青龍団のパクりだ。 それから……… 西に白虎団………黄色い特攻服を羽織った族。特攻服の背中に、虎のデザインがされてる。この団も男だけ何だよなぁ……… 最後に……… 南に朱雀団………赤い特攻服を羽織った族。特攻服の背中に、鳳凰のデザインがされてる。この団は女だけ。 ま、一般的なレディースだ。 取り合えず、うちらを中心にしたこの5団が警察の味方っつうか、世の中の味方になってる団かな?」 「す、すげぇ………」 「けど、こっちがいくら手を差し伸べても、奴らは見向きもしないで黒い道に進んじゃうんだ」 そう言いながら、司は日が暮れてきた空を眺めた。 その頃、香織は暗くなった道をブツブツ文句を言いながら歩いていた。 「(あの人達のせいで、無駄な時間過ごしたわ!!) 今度こんな事あったら、2人共承知しないんだから!!」 「誰を承知しないんだって?」 「あの2人よ!! ? !!あんた達!!」 後ろにいたのは、商店街で司と昇るが撒いたはずのあの、不良達だった。
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