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「やっと見つけたぜ………お嬢さんよぉ?」
「誘拐して、身の代金でも欲しいの?
全くどこまで、子供なんだか………」
「あ?」
「どうせこういう事するのって、結局は大人の気でも引きたいからじゃないの?
大人だけじゃない、世間の目も気を引きたいんじゃないの?」
「このガキ、さっきから言わせておけばゴチャゴチャと………」
「何?殴る気?
頭にくればすぐに殴る………
それじゃあ、子供じゃなくて単なる赤ちゃんと一緒じゃない」
「うるせぇ!!」
「おっと、そこまでだ」
「?………
!!」
「そ、総長!!」
殴りかかろうとした男の手を、後ろから誰かが止めた。後ろを振り返るとそこにはいたのは、日本刀を持った男だった。
そこの姿を見た男達は、驚きの顔をしながらその男を“総長”と呼んだ。
「総長、なぜあなたがここに?」
「チョイと野暮用があってそれを片づけてきた帰りだ。
で?このガキは?」
「さっき逃がした、ガキです。他にも男と女の二人がいたんですが、今はこのガキ1人です。」
「ほう…………」
「あなたが、この人達の頭かしら?」
「そうだぜ………お嬢さん………」
総長は香織の首に日本刀を打ち付けながら、香織の質問に答えた。香織は首に日本刀を打ち付けられても尚、平然とした顔をしていた。
「ほぉ………
お嬢さん、これ怖くないのか?」
「…………
ここでギャーギャー騒いだって、誰かが助けにくるの?
来るわけないじゃない」
「よく分かってますなぁ………」
「そ、総長!!」
「どうした?」
「う~ん………
誘拐事起こして、何か意味あるか?」
仲間の声ではないその声を聞いた総長は、香織の首から日本刀を離し、後ろを振り返った。
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