鍵屋

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音が静まるのを確認して、恐る恐る目を開けると、目の前にあった筈の針葉樹が真っ二つに割かれ、炭と化していた。 驚いた鳥達がバタバタと飛び出しては、逃げて行く。 「び…っくりしたー」 右京は、ドキドキする胸に手を当てて、ほぉーっと息を吐く。 そして、 気づく、違和感。 「あ、、あれあれ???」 懐に閉まった物の、固い感触が、ない。 「あれあれあれあれー???」 ホバリングしながら、パタパタと自分の身体のあちこちを叩(はた)く。
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