鍵屋

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「……ない…」 さぁーっと顔が蒼くなるのが、自分でも分かった。 「ないないないない!」 あぁぁと自分の服を引っ張ったり、髪の毛を引っ張ったりしてみる。 「これは夢?夢?」 頬をつねる。 痛い。 「嘘でしょぉ…」 両手で顔を覆い、 「鍵がっ、無いーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」 絶叫した。 これだけの雨が降っていなければ、 右京の声は、確実に木霊となって、山に棲む生き物達を脅かしていただろう。
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