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左右二ヶ所の街灯、その根本付近から重厚な破裂音が弾けた。
暗闇にマズルフラッシュが閃き、対物ライフルの巨体が跳ねる。左右に吹き出す硝煙が闇に広がった。
520メートルの距離は対物弾の威力を減衰させるにはあまりにも短い。
霧雨のシャワーに螺旋状の軌跡を引いた12.7ミリ炸裂弾は、ほぼ直線の弾道を描き、「奴」の口許へと殺到した。
2発のラウフォスMk211炸裂弾は真っ直ぐ口から内臓へと突き進み、背中に当たる皮膚へと「裏から」突き刺さる。
タングステン製弾芯の運動エネルギーを受け、先端に封入されているB型混合爆薬が発火した。
弾頭を着火点に、弾芯内に搭載される焼夷剤が反応を起こす。
くちばし状に大きく口が裂けた「奴」の体内で炸裂弾による爆発が起きた。大きく腕・・・正確に言えば腕のような突起を広げた姿は、最早ハロウィンのお化けでは無く、内容物を撒き散らすバケモノでしか無かった。
いつの間にか生えていた二本の脚が地面を踏み込む。交差点の中心からアスファルトが放射状に割れていった。
内臓を粉砕された筈のバケモノが合成音のような奇声を上げる。
口端から体組織がごぼごぼとこぼれ、地面に黒い染みを撒き散らした。
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