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「へー、今日は朝から会えたんだ!
良かったじゃん」
朝練が終わって教室に行くと、すでに必ず教室にいる友達の小野原 優理(おのはら ゆり)にあったことを逐一報告する。
優理は高校の入学式に話しかけてくれて最初にできた友達で、キレイで大人っぽい優しい子。
いつも恋愛の相談をしてます。
「普通にできてたか心配だなー」
「空は顔に出やすいもんね」
優理が可笑しそうに笑う。
「やっぱり?
これどうにかして直らないかな?」
首を捻って考える。
「何言ってるの!
空ちゃんはそのままでいいのよ!」
突如後ろから聞こえてきた声に空は振り返った。
「あ、円ちゃん!
おはよー」
篠原 円(しのはら まどか)ちゃんも高校で出来た友達でとっても賢いめがねっこ。
「出ました。
円の空病」
優理が頬杖をついて苦笑いを浮かべる。
「優理!
何毎朝空ちゃんにアドバイスとかしちゃってんのよ!
空ちゃんが誰かのものになっていいわけ!?」
「あーまた始まった」
優理はため息をついて円を見上げた。
「友達なら応援してあげなさいよ。
聞いてたら先輩もいい人そうじゃない」
「馬鹿ね優理…
男はみんなケダモノで危険なのよ!
人生に必要なし!」
「円ちゃん男性恐怖症だもんねー」
円に抱きしめられたまま空は言った。
「あんたのそれにも困ったもんね」
「わ、私は空ちゃんが大好きなだけだもん!」
「…ぐ、円ちゃん…苦しい」
抱きしめられすぎて息が出来なくなる。
そうしてやっと空は解放された。
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