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「まあ空も一途よね。
今時中学の時から好きだった先輩追っかけてくる子もなかなかいないよ?」
「え、そうだったの!?」
優理の言葉に円がこっちを見る。
「…うん、そうなんだ」
照れ臭くて少し俯く。
「相手は三年生だったから一年しかバスケやってる姿見れなかったけど、
すっごくかっこ良かったんだあ」
空はその頃を思い出すように語りだした。
「何より優しいんだよね!
私が大切な練習試合の日に寝坊して遅刻した時とかいつも庇ってくれたり!
帰りに練習で疲れてるだろうからって家まで送ってくれて、そのうえ肉まんとかおごってくれたり」
一気にそう話すと二人は「ふーん」と言いつつ顔を見合わせた。
「っていうか、空そんなに頻繁に遅刻してたの?」
「う、試合は緊張して寝れなくて…」
「そんな空ちゃんが好きよ!」
興奮気味の円をほっておき、優理は話を続けた。
「まあ空がその先輩とどうなりたいかが肝心よね。
やっぱり付き合いたいの?」
「…そうなれれば、幸せかな」
顔を真っ赤にしてつぶやく。
「でも、今のままじゃダメな気がする」
「そうね、相手は完全に空のこと妹ぐらいにしか思ってない可能性が高いし」
「そんなにはっきり言わなくてもいいじゃない!」
「はいはい」
円を適当にあしらい、優理は空を見つめた。
「彼女になるためにはやっぱり早く行動に移さないと!
三年生なんだから期限はもう一年もないのよ?」
「…確かに」
空は素直に頷く。
「…でも、好きになってもらうにはどうすればいいのかな?」
「うーん、そうね…」
みんなが考え始めた。
その時…
「それならいい方法があります。」
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